2023.10.27 サントリーホール (東京)
Sebastian Weigle / 読売日本交響楽団
宮田大 (vc-1)
1. プロコフィエフ: 交響的協奏曲 ホ短調 作品125
2. ハチャトゥリアン: バレエ音楽「ガイーヌ」より
ゴパック/剣の舞/アイシャの踊り/バラの乙女の踊り/子守歌/レズギンカ
3. ストラヴィンスキー: バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)
昨年あたりから、実演で聴きたいとずっと思っていてまだ聴いたことがない曲(長らく聴けていない曲も含む)を目当てに、落穂拾いのように行く演奏会が多いような気がしていますが、今日もその一つ。
1曲目の「シンフォニア・コンチェルタンテ」はプロコフィエフの最晩年に、チェロ協奏曲第1番を大幅に書き直す形で作曲され、ロストロポーヴィチに捧げられた曲。ほぼ馴染みがない曲です。第1番の方もずっと以前に聴きましたが、とっつきにくい難曲でした。果たしてこの曲も、チェロが技巧の限りを尽くして奮闘するのはわかるのですが、展開が早過ぎというか複雑で、どうにも捉えどころがわからない。そんなわけで演奏解釈などの論評はお手上げで、ひたすら演奏家の様子を観察しておりました。
若手の人気チェリスト宮田大を聴くのは初めてでしたが、彼の華々しい経歴とストラディヴァリの楽器をもってしても、この難曲はいかにも手に余る感じが見て取れました。厳しい高音域のフレーズが続き、余裕を見せる余裕は全くなさそうで、ずっと苦しく不安定な空気が支配します。ちょうど斜め後方から見る席だったのでオペラグラスで楽譜を覗き込んだら、通常のA版/B版よりも縦長の楽譜には赤ペンでびっしりと書き込み。自分で譜めくりしなければならない事情を考慮してか、最多で4ページ分を見開きで譜面台に置けるように作ってありました。指揮者の譜面台に目を向けると、こちらも同様の縦長サイズのスコアがリングファイルになっていて、書き込みはほとんどないものの、ところどころ黄色の蛍光ペンでハイライトしてあります。どちらも手作り感満載で、生真面目な人たちなんだなということはよくわかりました。アンコールはチェロ独奏でラフマニノフの「ヴォカリーズ」。いやはや、先ほどの苦しさ不安定さは何処へやら、非常にのびのびと素晴らしい演奏でした。
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