以上2枚は歌劇場サイトから拾ってきた、昨年のサイトウ・キネン・フェスティヴァルのときの写真。かなり異質な雰囲気がよく伝わってきます(笑)。
拍手はけっこう長く続き、何度も呼び出されていました。
2. Bartok: Bluebeard's Castle
Matthias Goerne (Duke Bluebeard/Br), Daveda Karanas (Judith/Ms)
Andras Palerdi (Bard/narrator), Sawako Iseki (Spirit of Judith)
Francesco Porcelluzzi (Kuroko, 1st door), Massimo Margaria (Kuroko, 2nd door)
Angelo Perfido (Kuroko, 3rd door), Aiichiro Miyagawa (Kuroko, 4th door)
Riccardo Riccio (Kuroko, 6th door), Duccio Brinati (Kuroko, 7th door)
Francesca Bellone (1st wife), Giorgia Calenda (2nd wife), Valeria Scalisi (3rd wife)
Izumi Fujii, Yoshimitsu Kushida, Satoshi Nakagawa, Megumi Mashimo,
Emi Aoki, Takuya Fujisawa, Yukio Miyahara, Ayaka Kamei,
Leonardo Jin Sumita (Kuroko)
1時間の休憩の後、次の「青ひげ公の城」も金森穣の演出、ノイズムメンバーの出演による、あまり他に類を見ないプロダクションでした。演出の基本的なトーンは先の「マンダリン」と統一されていて、シンプルでシンボリックな舞台装置をバックにやっぱり大勢の黒子がうじゃうじゃと動いています。最初に吟遊詩人がお経でも読むような無表情なリズムでお馴染みのハンガリー語の前口上を始め、次第に語り口が熱くなって行ってからオケにバトンタッチします。この前口上はのっけから超ハイテンションで始める人もいるので千差万別で面白いですが、こういうパターンは初めて聴きました。
音楽的には「マンダリン」が「動」なら「青ひげ公」は「静」。内面的な音楽ですが、表現手法はわりとわかりやすいものです。ハマルは今度は譜面台にポケットスコアを置いていましたが、最初からちょっと気になったのは、さっきのマンダリンで疲れてしまったのか、オケのキレが少し悪くなったこと。それと、指揮者にオペラの経験がどのくらいあるのかわかりませんが、経歴を見ると豊富とは思えないし、少なくともこの歌劇場では初めて。総じてオケを鳴らし過ぎで、目の前であったにもかかわらず歌手が聴き取りにくい箇所がいくつもありました。歌手自身も声量は不足気味。青ひげ公のゲルネは昨年マゼールのマーラーチクルスで聴いて、その時は表現力がオペラ向きの歌手かなと思ったのですが、今日聴くと歌が繊細過ぎて大劇場ではワリを食います。やっぱりこの人はリート歌手なんだなと思いました。歌唱自体は、ブレることなく威厳があり、上手いと思ったんですが、いかんせん声量が負けてます。一方、ユディット役のカラナスはいかにもオペラ歌手の貫禄ある風貌でしたが、こちらも声量はイマイチ。めまぐるしく心が揺れ動く演技は良かったですが、歌のほうは起伏に欠けて一本調子で、あまり感心しませんでした。ハンガリー語の発音がたどたどしく、息継ぎがおかしい箇所もちらほら(まあこれは非ネイティヴだとどんな歌手でも仕方がないですが)。
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