2023.03.04 すみだトリフォニーホール (東京)
Ingo Metzmacher / 新日本フィルハーモニー交響楽団
Christian Tetzlaff (violin-2)
1. ウェーベルン: パッサカリア
2. ベルク: ヴァイオリン協奏曲
3. シェーンベルク: 交響詩「ペレアスとメリザンド」
2003年3月から書いている「演奏会備忘録」も、丸20年になりました。感慨深いです。
ロンドンでは我が家で一番のお気に入りヴァイオリニストだったクリスティアン・テツラフ、聴くのは10年ぶりになります。メッツマッハーは2010年のプロムスでベルリン・ドイツ響を聴いて以来2回目。新日本フィルもトリフォニーホールも7年ぶりの超久々です。
今日はいわゆる新ウィーン楽派の三大巨頭で揃えた意欲的なプログラムですが、どれも比較的耳に優しいロマンチックな曲想の曲ばかりですので、実はそれほどとっつきにくいものではありません。
1曲目のパッサカリアは過去に2度聴いていますが、日本で聴くのは初めて。のっけから透明感に欠ける弦と、ドカドカうるさいオケがちょっと曲の繊細さに合いません。皆さん表情固く、音楽を楽しんでいる風の団員が皆無なのも気になりました。まあこの選曲ですしメッツマッハーとも久々の共演で、緊張したことでしょう。
2曲目のベルク、登場したテツラフは、以前のシュッとして若々しい印象とは異なり、長髪顎髭の殉教者のような風貌。今日の席は幸いにも至近距離で、生音が直に耳に飛び込んできます。弱音から入る最初のフレーズからもう異次元で、最後までずっと耳が釘付け、正直周りのオケの伴奏はほとんど記憶に残りませんでした。
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