2012.01.27 Dvo〓ak Hall (Prague)
Eliahu Inbal / Czech Philharmonic Orchestra
Toma〓 Jamnik (Vc-1)
Schumann: Concerto for cello and orchestra in A minor Op. 129
Berlioz: Symphonie Fantastique Op. 14
プラハには何度も行ってるのですが、なかなかタイミングが合わなくて、今回ようやく念願かない、本拠地ドヴォルザーク・ホールでチェコフィルを聴くことができました。スメタナ・ホールがアール・ヌーヴォー様式なのに対し、こちらはネオ・ルネサンス様式なんだそうで、私はそのへんの見識はさっぱりですが、ホールの内装は確かに古代の神殿を思わせるゴージャスなものでした。ヨーロッパ最古のコンサートホールの一つだそうで、ウィーン楽友協会と同じく天井の高い箱型をしていますが奥行きはずっと狭く、舞台の頭上にも袖にも反響板らしきものは一切ありません。音響の良いホールとして知られており、確かに良い音はするのですが、私的にはちょっと残響長過ぎ。客席は傾斜のついたストール席と、結構高い位置にあるバルコニー席から成り、どこからも舞台が見やすそうでした。ステージのサイズや客席数から言って、ロンドンだとカドガン・ホールのクラスでしょう。
1曲目はシューマンのチェロ協奏曲。よくドヴォルザークとカップリングになっているチェロ協奏曲の名作ですが、何でか音源を持っておらず、ちゃんと聴くのは今日がほとんど初めて。ということで良し悪しや特徴はあまり語れません。トマーシュ・ヤムニークは1985年生まれの若手チェリストで、幼少からチェコ国内のコンクールを総なめにした後、カラヤン・アカデミーの奨学生に合格し、現在ベルリンフィルの一員として演奏すると同時に、ソリストとしてもヨーロッパや日本で活動中の若手有望株だそうです(プログラムより)。見たところ全然アーティストっぽくない、そのへんにいそうな普通のにいちゃんです。しかし一聴して思ったのは、この人はオケ奏者というよりも全くソリストの素質だな、ということ。超絶技巧をひけらかしたり、完璧さを売りにするキャラではなく、音程を外す場面もまま見られたのですが、その代わりにチェロのよく歌うことといったら!アンコールで弾いたトロイメライも歌心があり、良いものを持っているミュージシャンです。まだ若いから、ベルリンフィルで半分ソリストみたいな人達に囲まれてアンサンブルの修行を積むのは良い経験だと思います。
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