ロイヤルバレエ:「くるみ割り人形」初日は主役緊急交代ハプニング
2011-12-03


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2011.12.03 Royal Opera House (London)
The Royal Ballet
Barry Wordsworth / BBC Concert Orchestra
Peter Wright & Lev Ivanov (Choreography)
Marianela Nunez (The Sugar Plum Fairy), Thiago Soares (The Prince)
Iohna Loots (Clara), Ricardo Cervera (Hans Peter/The Nutcracker)
William Tuckett (Herr Drosselmeyer), Laura Morera (Rose Fairy)
1. Tchaikovsky: The Nutcracker

ちょうど2年前のロイヤルバレエ「くるみ割り人形」が我々のROHデビューでした。数えてみるとこの2年でROHにはオペラ、バレエ合わせて都合23回来ており、ほぼ月一のペース。ロンドンはチケットが高いので何でもかんでも見に行けないなと思っていたのですが、ブダペストのころの4年で60回というペースよりは落ちるものの、振り返ると結局そんなにセーブできてないんですなー。

今シーズンの「くるみ」はいつものオペラハウスのオケだけでなく、公演の約半分、26回中12回をBBCコンサートオーケストラが担当します。ここはクロスオーヴァー、ライトミュージックを専業とする軽めの楽団のようで、なぜ今回の伴奏を、全部ではなく中途半端に半分以下を担当することになったのか(しかも大事な初日を含む)、経緯はよくわかりませんが、今シーズンの「くるみ」は公演数が多いので劇場付きのオケのみでは規定労働時間を超えてしまうとか、そういう問題なのではないかいな。初めて聴くオケでしたが、一聴して音が平板、いかにも「お仕事お仕事」という感じの演奏で面白みがありませんでした。レスポンスの鈍いオケで、ただの裏打ちがはねてシャフルのリズムになってしまっているところもありました。ティンパニも何だかヘタクソ。今日は席の選択をミスったか、舞台向かって右側の最前列だったのでブラスの音がまともに耳に入ってきて、ブカブカとうるさいトロンボーンにチューバ、荒いトランペットが耳に障って仕方ありませんでした。一番良かったのはハープの男性二人です(笑)。指揮者のワーズワースは以前トリプルビルで聴いています。正直オケの統率力には疑問符を感じたのですが、今日は自身が桂冠指揮者を勤める手兵だったのでリラックスし、大崩れなくまとめていました。

第一幕はテンポの良い場面転換でパーティーのシーンまで持っていき、のっけからワクワクさせます。細部まで凝りに凝った、ゴージャスなプロダクション。真ん中で踊っている人々のかたわら、舞台の隅のほうでも各々小芝居が繰り広げられ、見ていて飽きません。クララ役のアイオーナ・ルーツは芝居が細かいんですがわざとらしくならない節度があって、ナチュラルな表現力に長けた人ですね。相手役のセルヴェラはもっと素朴で実直な感じ。ドロッセルマイヤー役のトゥケットも落ち着いた渋い演技でした。第一幕だと、最初に見て擦り込まれているのがワイノーネン版なので、プレゼントは最後に黒塗りのムーア人人形が飛び出してきてクルクル回るのが自分の中ではデフォルトなのですが、顔黒塗りはやっぱり表現方法としてマズいのか、ライト版では男女ペアの兵士人形(今日は蔵健太さんでした)が銃を構えて子供たちを脅します。銃で子供を脅すのは教育上問題ないんですかねえ。イギリス人の理屈はようわからん。


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