イングリッシュ・ナショナル・オペラ:新制作「マハゴニー市の興亡」
2026-02-20



禺画像]

2026.02.20 London Coliseum (London)
Andre de Ridder / English National Opera
Jamie Manton (Director)
Rosie Aldridge (Leokadja Begbick)
Kenneth Kellogg (Trinity Moses)
Mark Le Brocq (Fatty the Bookkeeper)
Simon O’Neill (Jimmy MacIntyre)
Alex Otterburn (Bank-Account Billy)
Elgan Ll〓r Thomas (Jack O'Brien)
David Shipley (Alaska Wolf Joe)
Danielle de Niese (Jenny Smith)
Zwakele Tshabalala (Toby Higgins)
1. Weill: Rise and Fall of the City of Mahagonny
(English translation by Jeremy Sams)

ほとんどその名前と不道徳な内容ということしか知らないものの、一度は見てみたいと思っていたオペラ「マハゴニー市の興亡」がイングリッシュ・ナショナル・オペラ(ENO)の新制作で上演されるというので、何はともあれ観に行きました。ENOを見るのは実に2009年の「青ひげ公の城」以来。というか、このコロシアム劇場にはオペラ、バレエを何度も観に来ているので誤解していたのですが、ENOの主催公演を見るのはまだ2回目なのでした。というわけでこのカンパニーのことは、モーツァルトだろうがワーグナーだろうが全ての演目を英語版で上演する、オペレッタ、ミュージカルに分類される演目や現代の作品も積極的に手がけ、演出はモダンなものが多い、という何となくのイメージを持っているのみでしたが、いろいろ調べてみて、多分外れていないと思います。傾向としては間違いなく自分の好みに近いはずなのですが、ターゲットが狭い分、逆にマッチするものが意外と少なかったのでしょう。

コロシアムはカンパニーに似合わず歴史を感じさせるオーセンティックな外観と内装。著名な割には上演機会があまりないオペラだし、新制作ということもあってチケットはソールドアウトの大盛況。モダンな印象と異なり、観衆は高齢者層が多かったのが意外でした。ステージの真ん中に大きいキューブ型の箱があり、それをレストランやボクシングのリングなどに見立てて、そこを中心に劇が進んでいきます。シンボリックというよりは演劇的な演出と思いました。音楽は随所にジャズを取り入れており、雰囲気は軽くてチープ。集団で歌って踊る曲もあり、オペラというよりほぼミュージカル。「ポーギーとベス」よりもミュージカル寄りですが、「キャンディード」と比べたらオペラ寄り、という感じですかね。有名なアリア(と言うのだろうか)としては第1幕で歌われる「アラバマ・ソング」がありますが、これとて、ドアーズやデヴィット・ボウイがカバーしているくらいですから、根本からクラシックに背を向けています。

物語は一応「喜劇」に分類されると思うのですが、ピカレスクロマンであり、徹頭徹尾、楽しい話は一切ありません。全3幕のうち2幕までやってやっと休憩が入りましたが、幕前に袋叩きにあって死んだと思われた主人公のジミーが、幕が開いたら同じポーズでまだ倒れたままで(死んではいなかった)、ご苦労なことです。しかし結局最後は電気ショックで死刑になってしまいます。特にこの第3幕の展開が冗長に感じ、話は面白いのにもっとコンパクトにできないものか、と思ってしまいました。全体として全2幕、休憩なしの90分上演くらいで十分収めることができそうに思いましたが、多分ブレヒトの台本を全然理解していないずぶの素人の意見です、はい。


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