前日のオペラ/オペレッタ・アリアのコンサートで軽く予習をした後、11年ぶりの国立歌劇場でエルケル「フニャディ・ラースロー」を観劇する計画だったのですが、何とその140年の歴史にして初めての歌劇場スタッフのストライキにぶち当たり、結局観ることができませんでした。
ローカルニュースや公式Facebookではストライキに突入したという情報は(当然ハンガリー語オンリーで)出ていたようなのですが、旅行前ならともかく、旅行中の旅行者はそんなものなかなかチェックできません。
オペラ座に着いてみると、やけに人が少ない。開演30分前になってもなかなか開場されず、15分前にようやく入場してみたら、客席は今まで見たことがないくらい閑散としていて、開演時間を過ぎても席は1割も埋まっておらず、オケピットにも全く人がいない。「フニャディ・ラースロー」はご当地ものなので、はて、こんなに不人気なオペラだったかなと思っていると、劇場の支配人とおぼしき人が出てきてマイクで何やらベラベラと話している。何を言っているのかさっぱりわからなかったところ、最後に英語で「オーケストラが来るまで20分ほどオペラ座の歴史を紹介したナイスなビデオをご覧ください」などと短く説明して、緞帳のスクリーンにビデオが投影されました。ここでようやくストライキではないかと思い当たり、スマホの電源を入れて(もちろん上演前に切ってますので)、劇場内なので弱い電波の中、オペラ座のホームページをチェックしてみると何やらハンガリー語のみのメッセージが出ていて、Google翻訳の助けを借り、やっと事態が飲み込めてきました。
ほどなくビデオ上映が終わり、再び支配人が登場。今度は英語なしでまた長々と言い訳がましい(意味はわからんけどそのように聞こえた)演説を続けた後、休憩に突入。ホームページのメッセージでは、もはや予定されていたフルの状態での上演は無理だがベストを尽くす、と書いてあり、これはもう時間の無駄であろうと判断して席を立ち、ボックスオフィスでリファンドを要求したら、チケット販売のWebサイトから手続きをしてくれ、とのこと。
後からいろいろとニュースサイトを探すと(それにしても英語の情報すらほとんど出ていない…)、前日21日の「ドン・ジョヴァンニ」からストに突入し、その日はピアノと限られた楽器による簡易伴奏で何とか上演はしたらしいのですが、大道具スタッフもいないため、22日はその「ドン・ジョヴァンニ」の舞台セットを残したまま、オケも結局来なかったので、休憩入れて4時間の長丁場のオペラを、ピアノ伴奏のみで1時間程度のハイライトで上演したとのこと。天井桟敷席に団体で来ていた学生さんみたいな人々がガラガラのストールやボックスに降りてきて、観客はそこそこ残っていたようです。翌日の「マイヤーリング」は公演キャンセルになり、翌々日の「ドン・ジョヴァンニ」マチネから何とか正常に戻ったそう。うーむ、ピンポイントでストライキにぶち当たってしまって、たいへんアンラッキーでした。こんなことなら「フニャディ・ラースロー」は20日のほうでチケットを取っておけばよかったと後悔しましたが、アリアのコンサートで先に予習をしてから、などと計算をしてしまったのが敗因でした…。あと、チケット代が速やかに返金されたのはまあよかったのですが、多少の為替差損が発生しました…。
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