ラベック姉妹+カラカン:4本腕の凄腕ピアニスト?
2013-02-17


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2013.02.17 Queen Elizabeth Hall (London)
Katia & Marielle Labeque (pianos)
Kalakan Trio (percussion-4)
1. Debussy: "Nuages" and "Fetes" from Nocturnes (transc. Ravel for piano duo)
2. Ravel: Rapsodie espagnole (for piano duo)
3. Ravel: Ma mere l'oye (Mother Goose), suite for piano duet
4. Ravel: Bolero (arr. for piano duo & percussion trio)

一昨年のOAEで初めて生を見たラベック姉妹。そのときはバロックピアノ(フォルテピアノ)でしたが、今回は普通のモダンピアノデュオを最前列かぶりつきで観賞です。お姉さんのカティアは赤、妹のマリエルは黒というコントラストの衣装で登場(ですよね?この姉妹は双子のようによく似ているので見分けにくいです)。姉妹デュオでの活動に年季が入っているので、さすがに息がぴったり。音も同質でお互い溶け合っており、「4本の腕を持つ凄腕ピアニスト」とでも表現できそうです。その分、姉妹のキャラ分けと弾き方はけっこう対照的。職人肌系きっちりピアニストのマリエルに対して、カティアは全くの芸術爆発系。激しいアクションに、きついフレーズで自然とこぼれる野獣のうなり声。最後の音を手のひらでふわっと包み込んで温めるような仕草(もちろん鍵盤から手を離した後のそんな動作が音に影響するわけはなく、完全に気持ちの問題ですが)など、エモーショナルな弾き方がビジュアル的にも面白かったです。

前半は、先週オケで聴いたばかりの「スペイン狂詩曲」が圧巻でした。ラヴェル自身のトランスクリプションかどうかは確認できていないですが、骨組みだけみたいなこのピアノ版を聴くと、この巨大なオーケストレーションの構造と仕組みが見えて(と言えるまでの素養はないですが、少なくとも感じ取れて)きました。後半の「マ・メール・ロワ」は連弾なので、横並びで身を寄せ合ってあまり動けないせいか、多少大人しめの演奏でした。最後の「ボレロ」はバスクの民族打楽器トリオKalakanと共演。ボレロをただピアノだけで延々とやってもつまらない(やるほうも聴くほうも多分苦痛)ので打楽器で色付けするという趣向だと思いますが、ピアノはすっかり脇役でした。ただし正直な感想を言わせてもらえれば、このボレロに限っては打楽器も退屈でしたけど。あと3、4人笛系と弦系の民族楽器が加わればもっと多彩で面白くなったんじゃないかな。アンコールはKalakanのみで、拍子木の曲とアカペラ2曲を披露しました。その間ラベック姉妹は舞台脇にべたっと座りリラックスして鑑賞。拍子木は曲芸みたいなもんでしたが、アカペラは結構上手でした。

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ボレロの小太鼓はこんなんでした。

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大太鼓と、何だかよくわからない木琴のような拍子木のような打楽器。

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[室内楽]

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