ケープタウン・オペラ:ポーギーとベス
2012-07-14


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2012.07.14 London Coliseum (London)
Cape Town Opera: Porgy and Bess
Albert Horne / Orchestra of the Welsh National Opera
Christine Crouse (Director), Sibonakaliso Ndaba (Choreographer)
Xolela Sixaba (Porgy), Nonhlanhla Yende (Bess)
Mandisinde Mbuyazwe (Crown), Philisa Sibeko (Clara)
Arline Jaftha (Serena), Tshepo Moagi (Sportin’ Life)
Gloria Bosman (Maria), Mthunzi Mbombela (Robbins)
Owen Metsileng (Jake), Mandla Mlangeni (Trumpeter)
Cape Town Opera Chorus
1. Gershwin: Porgy and Bess

南アフリカから来たケープタウン・オペラのUKツアーです。バーミンガム、エディンバラ、カーディフ、カンタベリーを回って最後がロンドン。「ポーギーとベス」はなかなか見れる演目ではないので、何はともあれ見ておこうと。

一応オペラに分類される「ポーギーとベス」ですが、様式的にはミュージカルの走りとも言われ、確かにこの演出だとノリはほとんど歌って踊るミュージカル。歌手もオペラ系とミュージカル系が混在し、声量自体と声の響かせ方に個人差が相当あります。ポーギー役のバリトン(この人に限らず名前の読み方はさっぱりわかりません・・)はしっかりした歌唱で、演技も良かったです。ベスは声量がちょっと足りないものの、若さが故のふらつきやすさはよく感じが出ていました。何より、ベスが巨漢のおばさんじゃなくて良かった。クラウン、スポーティンライフ等の準主役クラスもそれなりのレベル以上で、まあ良かったのですが、それ以外の端役・群集はけっこうグダグダなコーラスで、底の高い歌劇団とは言えませんでした。

ストーリーは、海辺の黒人居住区「なまず横丁」で足の不自由なポーギーが、ならず者の夫クラウンが殺人を犯して逃げた後の妻ベスを匿って口説き、住人が皆でピクニックに行ったり、ハリケーンがやってきて漁師夫婦が死んだりといった事件の後、戻ってきたクラウンをポーギーが殺し、警察に拘留されている間にベスは麻薬売人のスポーティンライフに口説かれてニューヨークに行ってしまう、という、何ともハチャメチャで救いようのない話です。全体のトーンは暗いのですが、シリアスかと思えば笑いもあり、第3幕のベスの豹変ぶりはもうほとんど吉本ギャグの世界。ベスを追うため、明るく希望に満ち溢れてニューヨークへと旅立つポーギーは、見方によっては意味深な解釈もありでしょう。まあしかし、もう一回見たいと積極的に思うオペラではなかったですかなー。

このUKツアーではウェールズ国立オペラのオケが帯同しましたが、堅実な演奏で感心しました。ROHのオケよりマシかも。なお9月には再びツアーに出て、ベルリンでこの「ポーギーとベス」を、何とラトル指揮ベルリンフィルと一緒に公演するとのこと。歌手はもうちょっと底上げしたほうがよいんじゃないかと思います。

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