LSO/ゲルギエフ/カヴァコス(vn):ストラヴィンスキー、開幕
2012-05-11


2012.05.11 Barbican Hall (London)
Valery Gergiev / London Symphony Orchestra
London Symphony Chorus
Maud Millar (S-1), Chloe Treharne (Ms-1)
Allessandro Fisher (T-1), Sandy Martin (T-1)
Oskar Palmbald (Bs-1)
Leonidas Kavakos (Vn-2)
1. Stravinsky: Mass
2. Stravinsky: Violin Concerto in D major
3. Stravinsky: The Firebird 〓 complete ballet

ゲルギエフとLSOが今シーズン取り組むテーマの一つ、ストラヴィンスキーのシリーズが今日から始まります。まず1曲目、初めて聴く「ミサ曲」は、10名のウインド・アンサンブルとコーラスという特異な編成ながら、キリエ、グローリア、クレド、サンクトゥス、アニュス・デイという基本要素はきっちり押さえた、たいへんコンパクトなミサ曲です。作風区分で言うと新古典主義時代の最後のほうで、伴奏は多少おどけた雰囲気も出てないことはないですが、全般的に端正にハーモニーが整えられた、いたって厳かで真面目な曲でした。

先日と同じくロンドンシンフォニーコーラスは勉強熱心、出番が終わっても「コーラス席」にそのまま座って次の曲を聴いていました。次のヴァイオリン協奏曲もバリバリ新古典主義時代の作品で、けっこうお気に入りの曲なのでよく聴いているんですが、CDはムローヴァのしか持ってなく、唯一実演で聴いたのもムローヴァだったので、他の人が弾くとどうなるのか興味津々でした。去年のプロムスで容貌の変わりぶりに驚いてしまったカヴァコスは、どうも長髪が気に入ったようで、今や無精髭ぼーぼーの完全なヲタクルック。漂う不潔感ではゲルギエフに負けていません(笑)。しかしヴァイオリンとなると話は別、やっぱりこの人は超盤石なテクニックでどんな曲でも余力を持って弾き切ります。特にこういった軽めの曲では、肩の力の入らなさが実にニクらしい。大らかであり男勝りにガツガツ弾くムローヴァとはひと味違った、男の余裕の美学が感じられて面白かったです。

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ところでカヴァコスはこのところ3年連続でプロムスで見ていて、ブダペストのころも何度か見ているのですが、容貌の変容が面白いです。上の髪を伸ばしたヲタクルックは昨年のプロムスからです。

一昨年のプロムスではまだ上の写真のような感じだったので、その間で何か心境の変化をもたらすきっかけがあったに違いありません。

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さらに昔は上のような南方系丸出しのお顔立ちでした(カヴァコスはギリシャ人です)。

メインの「火の鳥」はゲルギーさんの得意中の得意、これがまた腰を抜かさんばかりの豪演に痺れました。躍動という言葉を忘れてしまったかのような先日

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[オーケストラ]
[ロンドン交響楽団]

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